病院経営も他人ごとではない!今、新型コロナウイルス感染症の影響で苦しんでいる中小企業はたくさんあります。そのような中、新型コロナウイルス感染症の影響で金融庁と日本銀行は2020年4月16日に不渡り処分を当面猶予する特別措置を全国銀行協会(全銀協)に要請しました。
それから5か月弱。
実際の不渡り猶予はどのような状況なのか調べてみました。
不渡りとは
「不渡り」とは手形や小切手によって支払いを受けることが出来ない状態のことを言います。細かく説明すると、支払いの際に現金ではなく手形や小切手で支払った場合、受取人が銀行に持ち込んで現金を受け取ろうとした時に支払い側の預金口座の残高が不足している場合は現金を受け取れません。
この状態が不渡り状態です。
不渡りを起こした場合
6か月以内に2回不渡りを起こした場合、銀行取引停止処分となり、加盟金融機関から2年間にわたり当座取引や貸出取引ができなくなります。
それだけではなく、不渡りの事実が不渡報告として掲載され銀行に通知されてしまいます。どの会社がいつ不渡りを起こしたのか銀行に知れ渡りますので、会社の信用度は著しく低下してしまいます。
手元資金が乏しい中小企業は、手形は重要な決済手段であり、信用のもと成り立つ手形が一定期間使えないことになることは、企業の運用を停滞させ事実上の倒産状態となってしまいます。
金融庁・日本銀行からの要請
実際に金融庁・日本銀行から出された要請は以下のとおりです。
預貯金取扱金融機関への要請
①支払い期日が経過した手形については話し合いの上 取立できることとする
②支払できない手形・小切手について不渡り報告への 掲載・取引停止処分を猶予する
電子債権記録機関への要請
新型コロナウイルス感染症の影響による電子記録債権の 取引停止処分または利用契約の解除等の措置について 配慮すること。
不渡り猶予の影響は?
この不渡り猶予によってどの程度の会社が助かるのでしょうか?手形交換高の推移を以下に示します。
1990年 4,797兆円
2019年 184兆円
3.8%まで交換高は減少しています。
さらに2019年度の倒産件数8,631件のうち、銀行取引停止は522件であり、約6.0%しかありません。今回の金融庁と日本銀行が要請した不渡り猶予は倒産防止のクリティカルヒットになるかどうかは疑問が残りますが、問題を先送りしてその間に建て直す一定期間にはなろうかと思います。
2020年4月~7月の不渡り猶予件数
2020年8月19日付けで一般社団法人全国銀行協会は重要なお知らせとして、ホームページ上に以下のお知らせを掲載しました。
6月不渡り猶予枚数100枚ですが、7月は27枚と減少傾向にあります。補助金や様々な制度で会社やお店等は毎月ギリギリで運用しています。7月の不渡り猶予枚数が減少したからと言っても、まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響は続いていくことでしょう。
助けを求めている人がいます。
自分だけとは思わずみんなで助け合っていきたいものです。
頑張れ!中小企業!
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