投資を始めたいけどNISAとiDeCoって何が違うのか?~投資初心者のための基礎知識~

税金の知識

「投資」と聞くと自分にはかかわりのない話と思う方もいらっしゃいますよね。私もその中の1人でした。しかしそのような方の中にも新型コロナウイルス感染症の影響によって投資の考え方が変わってきたと答える人は増えてきているようです。本業の先行きが不安な職業に就いている方はなおのことです。そう、本業以外の不労所得を増やす必要があると感じておられるようです。「投資」を難しく考えず、簡単なところから学んでいきたいと思います。

投資の利益には税金がかかる

投資で利益が出た場合は、20.315%を税金として納めなくてはいけません。何にでも税金は取られるんですねー。しかし朗報です。この投資で出た利益に係る税金が免除になる制度があるんです。しかも誰でも利用できるんです。そんなうまい話があるんですね。

いちどは耳にしたことがあるかもしれません。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)です。この2つの制度を利用すれば、税金が一切かからなくなります。

例えば、1万円の利益が出た場合、通常は1万円の20.315%に当たる2,032円が税金として差し引かれますが、NISAやiDeCoを利用すれば、1万円の利益がそのまま受け取れます。投資して資産を増やしたい方には打ってつけの制度ですよね。でもこの2つは何が違うのか良く分かりません。1つずつ見ていきます。

NISAとは?

NISAはイギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、その頭文字をとりNISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)とつけられました。2014年1月にスタートした個人投資家のための税制優遇制度です。JAPANじゃなくNipponなんですね。JAPANだったらJISA(ジーサ)。うん、ニーサの方がいいですね。

NISAとは、通常の株式や投資信託などの売買益や配当金などが非課税になる制度のことです。んっ?良く分かりません。簡単に言うと、少額のお金を長期間かけて積み立て投資する人には、利益に対して一切課税しませんよという制度のことです。

NISAには投資期間、年間投資上限額、投資対象商品によってNISA(一般NISA)つみたてNISAの2つに分かれます。

一般NISAの大きな特徴は、通常の運用利益にかかる税金20.315%が非課税になり、非課税枠の上限は年間120万円、最長5年、トータルで600万円分の累計投資額に適用されます。また5年間のNISA期間が終了するとロールオーバーの手続きによりさらに5年間非課税で保有することができます。

一方、つみたてNISAは税金20.315%の非課税は同様ですが、非課税枠の上限は年間40万円、最長20年、トータルで800万円分の累計投資額に適用されます。

非課税期間が5年か20年か、年間上限が120万円か40万円かの違いです。短期集中の一般NISA。長期低額のつみたてNISAと覚えると良いかと思います。

上限期間と上限額以外の制限としては、金融庁の設定した長期・積立・分散投資に適した基準をクリアした商品から選ばないといけないという制限がありますが、これから投資を始める初心者の人にとっては上限額は失敗を低く抑えられるメリットとも言えますし、金融庁が設定した商品からしか選べないことも、初心者や未経験者にはむしろ安心できる商品が並んでいると考えることもできます。

一般NISA・つみたてNISAのメリット・デメリット

一般NISAのメリットは非課税の対象商品が幅広く、年間投資額上限も120万円と高く、換金も自由に行なえることです。

つみたてNISAは対象商品の販売手数料がゼロ、投資信託の信託報酬は1.5%以下と決められているため、節税とコストダウンの両方にメリットがあります。

デメリットはあるのですが、内容が難しいためメリットに着目した方が良いかと思います。ちなみにデメリットを挙げると、

一度売却するとその分の非課税枠が復活しない
節税効果を狙うばかりに売却機会を失うことがある
NISA口座は1つしか選べないため、一般とつみたての併用は不可
確定申告による3年間の損失の繰り越し処理の対象外

とありますが、気をつければよい話ですので、今回は割愛させていただきます。

iDeCo(イデコ)とは?

iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金のことです。確定拠出年金の略であるDC(Defined Contribution Plan)と個人を表わす「individual」の頭文字を組み合わせたもので「individual Defined Contribution」の略になります。

麻生総務大臣が発言した「老後資金に2,000万円必要」というニュースが話題になりましたが、iDeCoとは簡単に言うと、「年金の他に老後資金を自分で作ろうという人から税金は取りませんよ」という税制優遇が受けられる投資制度のことです。

ん?NISAと同じもの?と疑問に感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。iDeCoもNISA同様、投資などで出た利益に一切税金がかからないというメリットがあります。

さらに言うと、iDeCoは投資した金額すべてが所得控除の対象となります。上限がないんですね。さらに、積み立てた資金を受け取る時に、年金のように少しずつ段々と受け取る場合は公的年金控除が適用され、いっぺんに受け取る場合は退職所得控除が適用され、節税効果があります。

しかし投資資金をいつでも引き出せるNISAと違って、iDeCoは原則として60歳までは引き出すことができません。

※加入者が死亡した場合は、遺族が死亡一時金を受け取ることが可能。また所定の障害を負った場合には、障害給付金が支給される。

NISAとiDeCoはどちらが良いのか?

どちらが良いのかについては、自身の投資目的によって分かれます。つまり人それぞれです。

60歳以降の「老後資産」のために投資するということであれば、非課税の優遇を広く受けられるiDeCoの方が良いですし、資産運用はしたいけど、老後資産のためだけではなく、家の購入等で現役時代に使う可能性があるのであれば、いつでも解約ができるNISAの方が良いということになります。

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