正のスパイラルを生み出す広告宣伝費による節税対策

税金の知識

「利益が出たので経費として計上できるものは計上して見かけの利益を減らしたい」と思うのは経営者としては当然の心理かと思います。そして「支出がない節税」は、リスクがないため第一に考えていく節税かと思います。一方、「支出を伴う節税」は、一定のリスクを伴うため敬遠されがちです。今回はそのように敬遠されがちですが、実は未来への投資をしながら節税できる「正のスパイラル」が図れる節税方法をまとめていきます。

物を購入する節税のデメリット

決算期末になって利益を抑えるために、「税金を支払うくらいならモノを購入して節税しよう」とする会社を見受けます。これは良い部分もあるのですが、現金が手元に残らないというデメリットもあります。

お金が単にモノに変わっただけですので、将来的にリターンが望める節税ではないことも特徴の1つです。手元にお金を残そうとして節税対策を講じたのに、単に資金繰りを悪くしたり、将来の利益が見込めるものではないため、いささか不安な節税対策です。同じ支出をするのであれば、将来的なリターンが見込める節税対策も考えていきたいところです。

将来的なリターンを得るための節税対策

では、将来的なリターンが見込める節税とはどのようなものでしょうか?複数考えられるのですが、その代表的な対策としては「広告宣伝費」が挙げられます。宣伝をするということは、それなりに支出も伴います。しかし、この方法がお金を出して物を購入する節税方法と決定的に違うのは、未来の利益への投資的要素を含んでいるという点です。この未来の利益につなげていく対策を講じれば、節税もでき、将来的に利益も増え、ダブル効果が見込まれるという点で考えると「正のスパイラル」となっていきます。

広告宣伝費の種類と注意点

新聞・雑誌の宣伝広告     

広告宣伝の代表的な手段としては、新聞・雑誌などへの広告掲載などがあります。幅広く宣伝できるため、高い効果が見込まれる場合があります。しかし、注意点があります。それは「広告掲載日」に注意するということです。当期中の利益を節税したいわけですので、当期中の費用として計上しなければ節税対策としては意味がありません。当期中の費用として計上するためには、必ず広告掲載日が当期中になっている必要があります。

ホームページの作成・更新

ホームページの作成・更新等も広告宣伝となりますが、このホームページの作成費用についても注意点があります。ホームページの制作費用は、原則として、その支払った時の経費に計上できるという点です。さらに、プログラムの作成費用やソフトウェアの開発費用が含まれている場合には、それらの費用はソフトウェアとして資産に計上した上で、減価償却していくことになります。 

交際費と広告宣伝費に注意!

広告宣伝費のつもりで支出した経費が、税務調査において広告宣伝費とは認められず交際費に該当すると言われる場合があります。税法における交際費とは得意先や仕入先などの取引先やその他事業に関係のある会社や個人に対して行う接待、供応、慰安、贈答などの行為のための支出のことを言います。接待なのか宣伝なのか。もし接待だと判断されれば、追加で税金を払うことになるかもしれません。

このため税法のルールを理解して、広告宣伝費と交際費をしっかりと区別する必要があります。税法のルールの大まかなポイントは、不特定多数の相手に対する支払いは広告宣伝費、特定の相手に対する支払いは交際費になるということです。これならば線引きがしやすくなるのではないでしょうか。そして不特定多数とは一般消費者と言い換えることもできます。

下記のような不特定多数の相手に対する宣伝のための支払いについては交際費ではなく広告宣伝費になります。

・一般消費者に対して、抽選で金品を交付したり旅行や観劇などに招待するための費用

・商品を買った一般消費者に対しプレゼントや景品を交付するための費用

・工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用

・得意先などの取引先に対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用

・一般消費者に対して製品や商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼を交付するための費用

下記のような場合は、一般消費者に当たらないので、広告宣伝費ではなく交際費になるので注意してください。

・医薬品メーカーや販売業者が、医師や病院を対象とする場合

・化粧品メーカーや販売業者が、美容業者や理容業者を対象とする場合

・建築材料の製造業者や販売業者が、大工や左官など建築業者を対象とする場合

・機械工具の製造業者や販売業者が、鉄工業者を対象とする場合

まとめ

将来的な利益を生み出す広告宣伝費。上手に活用すると、「今期の節税」「来期の増収」につながる正のスパイラルを生み出します。良い流れを生み出すのは適切な節税対策です。面倒くさがらずに地道に税金の勉強をしていくことが、将来自分に返ってくるご褒美になるんですね。

税金について勉強すると終わりがないくらいに知識の深さを感じます。そうまさに終わりのない螺旋のようですね。税の螺旋状態です。

ん?税の螺旋状態。税の螺旋。螺旋は英語でスパイラル。

税のスパイラル。税のスパイラル。

正のスパイラル!早く税の勉強から解放されたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました