「ねんきん定期便」で老後の生活がシュミレーションできちゃいます!~ねんきん定期便の見方を解説いたします~

保険の知識

老後の生活に備えて2,000万円の貯蓄が必要?

麻生総務大臣の発言でトレンドニュースになったのは少し前の話しです。

麻生(あそう)さんだけに「あっそ。」と言いたいところですが、自分の老後生活のためにはそうもいきません。本当に2,000万円必要かは分かりませんが、老後生活をイメージするにはちょうど良い機会になった人もいらっしゃるのではないでしょうか。

退職後は、ほとんどの人が「公的年金」が唯一の収入となります。公的年金は、夫婦二人でどのくらいもらえるのか気になりますよね。今からその金額を把握しておくことで、生活をダウンサイジングしたり、支出を抑えお金を蓄えたりして準備期間を持つことができます。

そうです!老後生活の準備の第1段階は、公的年金の受給額を知ることから始めましょう!

どうやって把握する年金受給額

原則として国民年金保険料は、20歳から60歳までの40年間支払います。しかし、実際は会社員だったり、自営業だったり、専業主婦だったり、と状況が変わる人もたくさんいます。状況が変われば年金受給額も変わってきます。では、65歳になって年金をもらい始めるようになるまで受給額は分からないのでしょうか?

そんなことはありません。自分の公的年金の加入履歴を把握し年金受給額の概算を把握できるように「ねんきん定期便」というものが毎年誕生月に送られてきます。

ねんきん定期便。それ、知ってる!でもじっくり見たことはない。

っていう方もいらっしゃいますよね。私がそうでした。

それでは将来の年金受給額を知らせてくれる大事な「ねんきん定期便」について見ていこうと思います。

「ねんきん定期便」は2書式ある

年齢による違い

「ねんきん定期便」は年齢によって分けられており2書式あります。「50歳以上」と「50歳未満」では書式が違います。

50歳未満の「ねんきん定期便」

今までに支払った期間の年金保険料に比例した公的年金額が表示されています。そのため、年齢によっては支払った期間が短いため、少ない受給額が記載されます。ですので「こんな少ない年金なら払いたくない。」と勘違いされがちです。あくまでも今までの支払った額ですのでお忘れなく。

50歳以上の「ねんきん定期便」

50歳になると50歳以上用の書式で送付されます。これは現時点の納付状況が60歳まで続くことを想定して、年金額が計算されるため、実際にもらえる年金額とかなり近い現実的な数字になっています。したがって、ここに記載された見込額は、老後のライフプランの設計に役立ちます。しかし、一般的には55歳からは年収が下がることが多く、ねんきん定期便の見込み額より下回ることが多いので注意しましょう。

節目年齢による違い

「ねんきん定期便」には、節目年齢(35歳、45歳、59歳)に送られてくる「封書版」と、節目年齢以外で送られてくる「ハガキ版」があります。

上図は封筒版ですが、今回はハガキ版の見方についてまとめていきます。「ねんきん定期便」は節目年齢以外はハガキ版で送付され、接着面をはがすと表裏各3面サイズになります。まず表面を見てみましょう。

ねんきん定期便(ハガキ版)の表面

ハガキ版を①②③に分けて解説していきます。

①照会番号12桁

この番号で「ねんきん定期便」「ねんきんネット専用番号」に照会できます。この「照会番号」は問い合わせを行う際に使うものですので、普段は特に気にする必要はありません。

②老齢年金の見込額

65歳から受け取れる年金受給額が見れます。このまま同じ年収で60歳まで働いた場合に、65歳から受給できる公的年金の総額が②の下の赤枠に記載されています。実際は55歳くらいから年収が下がりますので、あくまでも参考受給額となります。また、年齢が若く、納付した期間が短い場合は、納付した保険料も少ないため、ここに記載される年金受給額は少ない金額が記載されます。60歳が近づくたびに、より現実的な金額となりますので、年齢が若いうちは目安程度に捉えておきましょう。

②の右側の緑枠は、年金受給開始を70歳に延ばした場合(繰り下げ支給)の受給額が記載されています。142%に増額されるのですが、65歳から70歳まで生活できる貯蓄がある人しか活用しないのではないでしょうか。実際に活用されているのは1%強という数字です。

③最近の月別状況

国民年金と厚生年金の納付状況が見れます。過去13か月に支払った保険料とどの種類の公的年金に加入しているかが記載されています。会社員の方であれば加入区分は「厚年」となっています。また給与や賞与の水準によって決められている「標準報酬月額」や「標準賞与額」が記載されています。「標準報酬月額」は62万円、「標準賞与額」は150万円が上限金額となっています。

ねんきん定期便(ハガキ版)の裏面

裏面は年金額の詳細がわかるようになっています。①~⑥に分けて解説していきます。

①厚生年金保険料を払い込んだ期間

②扶養家族として国民年金にのみ加入していた期間

③年金加入期間(①+②)※10年(120ヶ月以上の加入が必要)

④国民年金分で受け取れる予定年額

⑤厚生年金分で受け取れる予定年額

⑥年金受給額(④+⑤)

「ねんきん定期便」に記載されているのは見込額ですが、実際には受け取れるにも関わらず、記載されていない項目(厚生年金基金による代行部分、加給年金、振替加算等)もあります。該当する可能性がある方は確認しておきましょう。

⑥で具体的な金額が確認できます。

例えば夫:178万円 妻:110万円であった場合、年額288万円が年金受給額として見込めます。

288万円÷12ヵ月=24万円となり、老後の生活として夫婦で月24万円で生活していくということになります。かなり具体的な金額ですので、老後のシュミレーションがリアルなものになります。

「今から貯金していこう」や「医療保険の見直しをしよう」等、具体的な行動に繋がっていきますね。

付録

最後に「お客様のアクセスキー」の説明をいたします。これは、パソコンやスマートフォンで、いつでも自身の年金情報を確認できる「ねんきんネット」のユーザIDを取得するために使用する番号です。年に1度の「ねんきん定期便」を待たなくても、いつでも確認できる上に、今後の働き方によってどのくらい公的年金額が変化するか、といったシミュレーションもできるようになっている便利なサービスです。まだ登録されていない方はぜひ登録しましょう。便利ですよ!

人生100年時代。年金について勉強しないといけませんね。

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