太陽光発電への投資はまだ有効なのか~電気は自分で作って売る時代から新たな展開へ~

経済の知識

新型コロナウイルス感染症の影響で安定的な収入が得られなくなった方も多いと報道されています。自身の現在の労働がこの先もずっと与えられるのか不安に感じられるかもしれません。そのような世情の中で「不労所得」の注目度が高まっています。いわゆる「副業」です。

就業規則で副業禁止が謳われている会社もあろうかとは思いますが、自身で得られる不動産所得や株取引収入まで禁止されている会社は多くはありません。今回は自身で得られる投資について「太陽光発電」に着目しまとめていきます。数年前からある売電投資ですが、もう遅いのでしょうか。バイデン氏が大統領になりました。売電の未来をみていきます。

固定価格買取制度(FIT)

固定価格買取制度とは、経済産業省・資源エネルギー庁が定めた再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を国が定める固定価格で一定期間電力会社に買取を義務付ける制度のことです。

一定期間は固定価格のため、その期間はある程度安定した収入が見込めることになります。2020年現在では、家庭用太陽光発電(10kW未満)は10年間、地熱発電は15年間、事業用太陽光発電(10kW以上)・風力・水力・バイオマス発電は20年間、高い価格のまま買い取ることが決められています。再生可能エネルギーの事業者からすれば、長期的に収益を確保できることになるため、投資の判断がしやすいというメリットがあります。

このFIT制度は2009年11月からスタートされました。最初にFIT制度を利用した方は2019年11月で10年が経過します。したがって固定価格買取制度での買取が終了する事業者が出てくることになります。

これまで太陽光発電システムで発電した電気を高値で売電することを保証していた制度がなくなり、11年目からの余剰電力の売り先や使い方を各々が考えなくてはならなくなるため2019年問題としてクローズアップされていました。

固定価格買取制度(FIT)財源は国民全員の賦課金だった!

FITによる太陽光発電等の再生可能エネルギー設備による電気は電力会社が買い取ってくれますが、その財源は電力会社からの電気を使用してる国民が負担していることになります。

月々の電気料金領収証の中に、再エネ賦課金という表記を目にしたことはないでしょうか?知らず知らずのうちに取られていたのです。そんなー。

この賦課金は、正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言い、再生エネルギー由来の電気に対して国民が支払う義務のある電気料金とされています。

FITを施行した2012年の時には0.22円/KWから始まり、現在2019年度では2.90円/kWまで上昇しました。FIT誕生から、電力の買取費用は増え続け、2019年度に見込まれる約3.6兆円のうち、一般消費者に負担される賦課金は約2.4兆円になるとの見通されています。太陽光発電の爆発的な普及に伴い、再エネ賦課金による国民負担増加の抑制として経済産業省はFIT廃止を検討しているという流れに至っています。

売電価格の推移

売電価格はどのような推移を辿ってきているのでしょうか。下図をご覧ください。

右肩下がりに下降しています。電気は高く売れなくなってきています。

主要電力会社は7~9円/kWhで買取価格を設定しています。えっ!一桁台まで値が落ちてきたの?こんなに安いの?電気売電バブルははじけてしまったのでしょうか。

しかし家庭用電気料金を見てください。地域差もありますが電力会社から購入する電気の価格は1kWhあたり約24円です。7~9円で売るよりも自家用に充てた方が15~17円安く電気が利用できます。収入を増やす売電ではなく、支出を減らす自給自足の自家発電の考え方にシフトしています。

太陽光発電の投資は有効なのか

10年前の42円/kWhから大幅に下落した売電価格ですが、投資のメリットはなくなったのでしょうか。ハッキリ申し上げると、昔ほどの旨味はもうない、と言っても良いかと思います。しかし、メリットが全くなくなったわけではありません。

2020年度の売電価格は、10kW以上50kW未満の場合が13円/kWh(全量売電は新規FIT対象外)、50kW以上250kW未満の場合が12円/kWhとなりました。2019年度に比べて下がったとはいえ、システム費用も下がり初期投資も抑えられています。初期投資を抑えることで早く投資回収を済ませ、中古市場に売るのも良いですし、電力会社から高い電気を購入せずに自給自足に充てるのも良いかと思います。

さらに再生エネルギーの未来を占うと、ご周知のとおり、再生エネルギー戦略を一層拡大する政策は掲げられています。これからも売電が一切できなくなる展開というのは考えづらく、下手な株に投資するよりはずっと確実で安定的な投資であると言えます。

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